はじめに
街を歩いていると目に入る、床屋さんの目印「サインポール」。 赤、青、白の3色がクルクル回るあのデザインを見ると、「あ、髪切りに行こうかな」と思いますよね。
爽やかで明るいイメージのあの3色ですが、実はその由来は、「血なまぐさい医療の歴史」に基づいているのです。
昔の床屋は「外科医」だった
中世ヨーロッパ(12世紀頃〜)では、なんと「理髪師(床屋)」が「外科医」を兼ねていました。 これを「理髪外科医」と呼びます。
当時の医学では、「体の中に溜まった悪い血を抜くと病気が治る」という「瀉血(しゃけつ)」という治療法が信じられていました。 カミソリの扱いに慣れている床屋さんが、髪を切るついでに、客の腕を切って血を抜いたり、歯を抜いたり、時には手足の切断手術まで行っていたのです。
色の意味は「血」と「包帯」
あのサインポールの色は、当時の「瀉血」治療に使われた道具を表しています。
- 赤色: 動脈(鮮血)
- 青色: 静脈(汚れた血)
- 白色: 止血用の包帯
治療の際、患部を縛ったり拭いたりした「血のついた包帯」を、洗って店先に干していました。 風に吹かれてその包帯が棒に巻き付いた姿が、あの「赤と白の螺旋模様」のルーツだと言われています(※青色は後から「静脈」あるいは「愛国心(フランスやアメリカ国旗)」として追加された説が有力です)。
日本だけのルール?
ちなみに、世界的には「赤と白」の2色が主流の国も多いですが、日本では「赤・青・白」の3色が一般的です。 日本の理容業界の定義では、 「赤は動脈、青は静脈、白は包帯」 という説が広く採用されています。
まとめ:今は髪を切るだけ
- 昔の床屋は「外科手術」も行っていた
- サインポールは「瀉血(血抜き)」の看板だった
- 赤は動脈、青は静脈、白は包帯を表す
- 干していた包帯が棒に巻き付いたのがデザインの原型
あの楽しげに回るサインポール。 「あそこに行けば、悪い血を抜いてもらえるぞ!」 という、かつての人々にとっての病院の看板だったのです。 今ではマッサージくらいしか痛いことはされませんが、歴史を知ると、あのお店に入るのに少し勇気がいるかもしれませんね。


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