実は、爪楊枝の溝を折って「箸置き」にするのは間違い!あのデコボコの本当の正体は「こけし」だった

はじめに

食後、シーハーと使う「爪楊枝」。 持ち手の頭の部分に、数ミリ感覚で刻まれた「丸い溝(デコボコ)」がありますよね。

この溝について、こんな噂を聞いたことはありませんか? 「あそこをポキッと折って、その上に汚れた先端を乗せるのが『楊枝置き』としての正しいマナーなんだよ」

飲み会の席などで、得意げに折っている人を見かけることもあります。 しかし、実はこれ、大間違い。 メーカーも推奨していないばかりか、礼儀作法としても「行儀が悪い」とされるNG行動なのです。


正体は「製造過程の焦げ隠し」と「飾り」

では、あの溝は何のためにあるのでしょうか? 答えは、「飾り」であり、もっと言えば「製造上の都合」です。

昔、爪楊枝を作る際、高速で回転させながら木を削っていました。 その際、回転させるための機械(チャック)が当たる部分が、摩擦熱で黒く焦げて汚くなってしまったのです。

「商品として見た目が悪いな……」 そこで職人たちは、焦げた部分を削り取り、さらに見栄え良くするために「こけし人形」のような飾り彫りを入れることにしました。

そう、あの溝の正式名称は、なんと「こけし」と言うのです。 決して「折り目」として作られたわけではなかったのです。


折ると「マナー違反」になる理由

「でも、折って置いた方がテーブルが汚れなくて良くない?」 と思うかもしれません。

しかし、日本料理のマナーにおいて、「箸や楊枝を折る」という行為は、あまり縁起の良いものではありません(「縁が切れる」などを連想させるため)。 また、使用済みの汚れた楊枝を、あえて人目につくようにテーブルの上に置くこと自体が、周囲への配慮に欠けるとされています。

正しいマナーは、

  1. 使い終わったらティッシュや懐紙(かいし)に包む。
  2. 楊枝入れに戻さず、持ち帰るか、見えないように処分する。
  3. 折らずにそのまま包む。

これが正解です。 「俺、使い終わったからね!」とアピールするようにポキッと折って置いて帰るのは、実は「逆効果のドヤ顔」だったのです。


先端の「反対側」は何に使う?

ちなみに、溝がある側の平らな頭の部分。 「あそこで耳掃除をすると気持ちいい」 という人もいますが、これも推奨されていません。

あの頭の部分は、あくまで「製造時に機械が掴んでいた場所」の名残です。 耳に入れるには硬すぎますし、衛生面でも耳の中を傷つける恐れがあるので、素直に耳かき棒を使いましょう。


まとめ:こけしは愛でるもの

  • 爪楊枝の溝は「箸置き」ではない
  • 製造時の焦げを隠すための「飾り(こけし)」
  • 折って置くのは、マナーとしてはお行儀が悪い
  • 使い終わったらティッシュに包んで隠すのが正解

もし飲み会で、 「こうやって折るのが『通』なんだぜ」 と得意げに話している人がいたら、 「それ、本当は『こけし』っていう飾りで、折っちゃダメらしいですよ」 と、こっそり教えてあげてください(場の空気を壊さない程度に……!)。

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