はじめに
男性のスーツやジャケットの袖口には、必ず3つか4つの「小さなボタン」がついていますよね。 でも、このボタン、実際に留めたり外したりすることはほとんどありません。 ただの飾りにしては、なぜ世界中のスーツに共通してついているのでしょうか?
実はこのボタンのルーツは、フランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトにあります。 彼がこのボタンをつけた理由は、オシャレのためではなく、「兵士たちの『ある汚い癖』を直させるため」でした。
その癖とは、ズバリ「鼻水拭き」です。
寒さで鼻水が止まらない兵士たち
ナポレオン率いるフランス軍が、極寒のロシア遠征などを行っていた時のこと。 寒さのあまり、兵士たちは鼻水が止まりません。
しかし、戦場でハンカチを出す暇もない兵士たちは、手っ取り早く「軍服の袖(そで)」でズズッと鼻水を拭っていました。 そのせいで、立派な軍服の袖口は、鼻水でカピカピに汚れ、見るも無残な状態になっていました。
ナポレオン、激怒
これを見たナポレオンは激怒しました。 「誇り高きフランス軍の制服を、鼻水で汚すとは何事だ! みっともない!」
そこで彼は、ある命令を下しました。 「軍服の袖口に、硬い金属のボタンを並べてつけろ!」
「拭くと痛い!」物理的な防止策
袖口に硬いボタンがついていると、どうなるか? いつもの癖で袖で顔をこすろうとすると、ゴツゴツしたボタンが鼻や頬に当たって痛いのです。 「痛っ! ……あ、そうか、袖で拭いちゃダメなんだった」
こうして、ナポレオンは物理的に兵士たちに「袖で鼻水を拭く」ことを諦めさせ、軍服の清潔さを保つことに成功したのです。
今は名残だけが残っている
この「ナポレオンのしつけ」が、その後の紳士服にもデザインとして取り入れられ、現代のスーツにも「飾りボタン」として残っていると言われています。 (※本切羽(ほんせっぱ)といって、実際に開く高級スーツもありますが、元々は「袖まくりして手術をする医師のため」など別の進化も混ざっています)
まとめ:英雄のこだわり
- スーツの袖ボタンの由来はナポレオン
- 兵士が袖で鼻水を拭くのを防ぐためにつけさせた
- ボタンがあると顔に当たって痛いので、ハンカチを使うようになった
- 先ほどの「ティッシュ(ガスマスク)」の話とセットで覚えると面白い
先ほどの記事で「ティッシュは鼻をかむために進化した」と書きましたが、スーツのボタンは逆に「鼻をかませないために進化した」パーツだったのです。 今度、スーツの袖ボタンを触りながら、 「これが鼻水ガードの名残か……」 と、ナポレオンの親心(?)を感じてみてください。


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