木を伐採したり、ホラー映画で凶器として使われたりするチェーンソー。 あの爆音と鋭い刃を見れば、誰もが「切断するための道具」だと思いますよね。
実は発明当初、あれを切る対象は木ではありません。「人間の骨」でした。
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難産の手術に使われていた
18世紀後半、帝王切開の技術が未発達だった時代。 赤ちゃんが大きすぎて産道を通れない場合、なんと「妊婦の恥骨(骨盤の一部)を切断して広げる」という恐ろしい手術が行われていました。
当時の医師たちは、手動のノコギリで骨を切っていましたが、時間がかかりすぎて母体に危険が及びます。 そこで、「もっと素早く骨を切るための医療器具」として開発されたのが、チェーンソーの原型(手回し式のチェーン鋸)だったのです。
木を切るのは「引退後」
その後、医療技術が進歩して安全な帝王切開ができるようになり、チェーンソーはお役御免となりました。 しかし、「これ、木を切るのに便利じゃね?」と気づいた人がいて、巨大化・エンジン化され、現在の林業用ツールへと転職したのです。
まとめ
ホームセンターで見かけるあの道具。 元々は木こりのための道具ではなく、母子を救うために医師たちが開発した「医療機器」だったのです。 そう聞くと、あの轟音も少しだけ頼もしく……いや、やっぱり怖いですね。


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