中世から近代のヨーロッパで使われていた絵の具に、「マミー・ブラウン(Mummy Brown)」という色がありました。 直訳すると「ミイラ茶色」。 これ、比喩ではありません。
エジプトから掘り出した本物のミイラを輸入し、粉々に砕いて顔料にしていたのです。
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「死体の色」は深みがある?
この狂気の色は、「透明感のある美しい茶色」として画家たちに大人気でした。 ラファエル前派などの有名な画家も使っていたと言われています。
しかし、20世紀に入り「さすがに死体を使うのは倫理的にどうなの?」「供給(ミイラ)がなくなった」という理由で製造中止になりました。
まとめ
美術館で19世紀以前の茶色い絵画を見たら、心の中で手を合わせてください。 そのキャンバスには、数千年前に生きていた誰かの体が塗りつけられているかもしれないのですから。


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