はじめに
料理の保存や、電子レンジでの温めに欠かせない「サランラップ(食品用ラップ)」。 どの家庭のキッチンにも必ずある、平和な便利グッズですよね。
しかし、このラップが誕生したきっかけは、実は「戦争」でした。 もともとは、食品ではなく、「兵士の命と武器」を守るために開発された、バリバリの軍事用品だったのです。
銃弾や火薬を湿気から守るため
サランラップの素材(ポリ塩化ビニリデン)が開発されたのは、1900年代初頭のアメリカです。 当時、戦場では深刻な悩みがありました。 それは、「湿気」です。
ジャングルや海上で戦う兵士たちの「銃弾」「火薬」「地図」などが湿気ってしまうと、いざという時に使い物になりません。 そこで、「水を通さず、密着して酸素も遮断するフィルム」として開発されたのが、ラップの原型でした。
当時は、蚊帳(かや)や、軍靴の中敷き、銃の包装などに使われ、戦場の最前線で活躍していたのです。
平和利用のきっかけは「ピクニック」
戦争が終わり、このフィルムの使い道に困っていたメーカー(ダウ・ケミカル社)の技術者たち。 ある日、技術者のラドウィックとアイアンズという二人が、近所のピクニックに出かけました。
その時、彼らの奥さんが、 「これ、レタスを包むのにちょうどいいんじゃない?」 と、夫が持ち帰っていた軍用フィルムで野菜やチーズを包んで持ってきたのです。
すると、時間が経っても野菜はシャキシャキのまま。 「これはすごい! 食品用として売ればヒットするぞ!」 と気づいたのが、キッチン用ラップの始まりでした。
「サラン」は奥さんの名前
そして、商品名を決める時。 ピクニックでこのアイデアをくれた二人の奥さんの名前、 「サラ(Sarah)」と 「アン(Ann)」 を合体させて、 「サラン(Saran)」 と名付けられました。
恐ろしい戦争道具が、奥さんの愛とピクニックのおかげで、平和な「サランラップ」に生まれ変わったのです。
ちなみに「電子レンジ」も軍事技術
余談ですが、ラップとセットで使う「電子レンジ」。 これも、もともとは軍事用の「レーダー」を開発中に、ポケットに入れていたチョコバーが溶けたことから偶然発明されたものです。
キッチンの中には、意外と「元・軍用品」が潜んでいるのですね。
まとめ:愛が兵器をキッチン用品に変えた
- サランラップは、もともと銃弾や火薬を湿気から守る軍用品だった
- 戦後、技術者の妻がピクニックでレタスを包んだのがきっかけで食品用になった
- 名前の由来は、妻の「サラ」と「アン」を足したもの
- 電子レンジもレーダー技術から生まれた兄弟分
今夜、余ったおかずにラップをかける時、 「昔はこれで爆弾を包んでいたのか……」 と思い出してみてください。 そして、それを平和な道具に変えてくれた「サラさんとアンさん」に、心の中で「ありがとう」と伝えたくなりますね。



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