実は、成人式は「昔からの伝統」じゃなかった!戦後の埼玉で「絶望した若者」を励ますために始まった意外なルーツ

はじめに

1月の第2月曜日は「成人の日」。 煌びやかな振袖や袴を着た若者たちが集まる、日本のおめでたい光景ですよね。

「着物を着るし、江戸時代の『元服(げんぷく)』とか、昔からの伝統行事なんでしょ?」

と思っている方が多いですが、実は現在の形式の「成人式」が始まったのは、つい最近(戦後)のことなのです。 しかも、発祥の地は京都などの古都ではなく、「埼玉県」でした。


発祥の地は「埼玉県 蕨(わらび)市」

成人式のルーツは、終戦直後の1946年(昭和21年)。 埼玉県蕨町(現在の蕨市)で行われた「青年祭」というイベントが最初だと言われています。

当時、日本は戦争に負けたばかり。 街は焼け野原で、物資もなく、日本の若者たちは自信と希望を完全に失い、虚脱状態に陥っていました。

「このままでは、次世代を担う若者がダメになってしまう」 「彼らに希望を持たせて、励ましてあげたい!」

そう考えた蕨町の青年団長が企画したのが、このお祭りでした。


会場は「テント小屋」だった

今の成人式のような豪華なホールではありません。 会場は、小学校の校庭に建てた「テント張り」の仮設小屋。 それでも、久しぶりのお祭りに多くの若者が集まり、未来について語り合い、大いに盛り上がったそうです。

このイベントが、 「暗い世の中で、若者に希望を与える素晴らしい取り組みだ!」 と評判になり、日本政府(国)が注目しました。


国がパクって「国民の祝日」へ

「これは全国でやるべきだ!」 と考えた国は、この蕨町のイベントをモデルにして、1948年に「1月15日は成人の日」という国民の祝日を制定しました。

つまり、成人式は「古来の厳格な儀式」ではなく、「戦争で傷ついた若者を元気づけるための『応援フェス』」から始まったものだったのです。


なぜ「1月15日」だったの?

ちなみに、制定当初の日付が「1月15日」だった理由は、昔の「元服(げんぷく)」の儀式が、小正月(1月15日)に行われていたことに由来しています。 (※現在はハッピーマンデー制度で第2月曜日になりました)

イベントの形式は「埼玉発祥の新しいもの」ですが、日付だけは「昔の伝統」を参考にしたハイブリッドなんですね。


まとめ:ルーツは「応援」

  • 成人式は戦後の「埼玉県蕨市」で始まった
  • 敗戦で絶望した若者を励ます「青年祭」がルーツ
  • 政府がそれに感動し、国民の祝日として広めた
  • 本来は「大人になった儀式」というより「未来への応援歌」

成人式のニュースを見て、 「最近の若者は派手だなあ」 と思うこともあるかもしれません。 しかし、そのルーツが「絶望からの復興」だったことを知ると、若者たちが笑顔で集まっている平和な光景が、また違って見えてくるのではないでしょうか。

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