はじめに
天気の良い日に空を見上げると、プカプカと浮かんでいる白い雲。 まるで綿菓子のように軽そうで、手を伸ばせば掴めそうな気がしますよね。
しかし、「実はあの雲、象100頭分くらいの重さがある」と言われたら、信じられますか?
今回は、知ってしまうと空を見上げるのが少し怖くなるかもしれない(?)、雲の重さの秘密に迫ります。
雲の重さは「数百トン」レベル!
結論から言います。一般的な夏の入道雲(積雲)1つあたりの重さは、なんと約500トン(500,000kg)にもなります。
「嘘でしょう?」と思うかもしれませんが、これは気象学的な計算で導き出される事実です。 雲は「水」の粒でできています。 縦・横・高さがそれぞれ1kmある雲の中に含まれる水分の密度を計算すると、その総重量はとてつもない重さになるのです。
500トンといえば、大型のアフリカ象(約5トン)が100頭空に浮いているのと同じ計算になります。
なぜ落ちてこないの?
ここで最大の疑問が浮かびます。 「そんなに重いものが、なぜ空に浮いていられるの?」 「なぜドスンと落ちてこないの?」
その理由は主に2つあります。
- 粒が小さすぎるから 雲を構成している水滴(雲粒)は、半径0.01mm程度と極めて微細です。あまりにも軽くて小さいため、空気抵抗の影響を強く受け、落下速度がものすごく遅いのです(ほぼ空気中に漂っている状態)。
- 上昇気流が支えているから 雲ができる場所には、下から上へ向かう風「上昇気流」が発生しています。 わずかな速度で落ちようとする雲粒を、この上昇気流が下から吹き上げて支えているため、雲は空に留まっていられるのです。
雨になる時は「支えきれなくなった時」
逆に言えば、雲粒同士がくっついて大きくなり、重くなりすぎて上昇気流で支えきれなくなった時……それが「雨」として地上に落ちてくる瞬間です。
私たちは普段、何気なく雨に打たれていますが、あれは「空で支えきれなくなった数百トンの水の一部」が降ってきている現象だったのですね。
まとめ:空の上の力持ち
- フワフワに見える雲は、実は数百トンの重さがある
- 象100頭分が浮いているのと同じ
- 粒の小ささと上昇気流のおかげで、落ちてこない
次に空を見上げた時は、「あそこにはとんでもない質量の水が浮いているんだな…」と、自然の力の凄さを感じてみてください。


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