はじめに
1月10日は「110番の日」です。 事件や事故の際、私たちが迷わずかける「110番」。
でも、よく考えるとなぜこの3桁なのでしょうか? 「覚えやすいから?」 「適当に決めた?」
実はこの番号が決まった昭和の時代、電話はまだ「黒電話(ダイヤル式)」でした。 そして、「1」と「1」の後に、あえて一番遠い「0」を持ってきたのには、人間の心理を利用した「ある重要な狙い」があったのです。
最初が「11」である理由=スピード
まず、なぜ最初の2桁が「1」なのか。 これは「スピード(緊急性)」を優先したからです。
昔の黒電話(ダイヤル式)を思い出してください(若い人はググってくださいね!)。 ダイヤルの穴に指を入れて回す時、「1」はストッパーまでの距離が最も短く、すぐに回せます。
一刻を争う緊急事態に、少しでも早く繋がるようにするため、最も早く回せる「1」が最初に選ばれました。
なぜ「111」にしなかった?
「じゃあ、一番早い『111』でいいじゃん!」と思いますよね。 実は当初、候補には挙がっていました。
しかし、当時の電話回線は不安定で、風で電線が触れ合ったりすると「ジジッ」とノイズが入り、それが誤って「1」と認識されてしまうことがありました。 また、子供がいたずらで適当に連打したり、焦って手が震えて回しすぎたりする「誤接続(間違い電話)」が多発する恐れがあったため、「111」は却下されました。
最後の「0」の理由=強制クールダウン
そこで選ばれたのが、ダイヤルの中で最も距離が遠い「0」です。
「1」から「0」までは、ダイヤルを回す距離が一番長く、指を離してから元の位置に戻るまでにも「約2秒」かかります。
実はこの「2秒」こそが重要でした。 事件に遭遇してパニックになっている人は、呼吸が荒くなり、冷静に話せません。 そこで、あえて一番回すのに時間がかかる「0」を最後に配置することで、強制的に「一呼吸」置かせようとしたのです。
- 「1」(早い!)
- 「1」(早い!)
- 「0」(……ジーコ、ジーコ……戻るまで待つ)
この「ジーコ」と回している間のわずかな時間が、通報者の頭を冷やし、 「よし、落ち着いて話そう」 と準備させるための「クールダウンタイム」として機能していたのです。
昔は「1110」や「112」もあった?
ちなみに、昭和23年に制度が始まった当初は、地域によって番号がバラバラでした。
- 東京・大阪など:110番
- 名古屋など:1110番
- その他の地域:112番(覚え方は「良い国」だったそうです)
しかし、やはり誤接続が多かったり、統一されていないと不便だったりしたため、昭和29年に現在の「110番」に全国統一されました。
まとめ:アナログ技術の優しさ
- 最初の「11」は、最速で回せるから(緊急性)
- 間違い電話を防ぐために、3桁目は別の数字にした
- 最後の「0」は、ダイヤルが戻る時間で「落ち着かせる」ため
今はスマホのボタンをタップするだけなので、「0」の待ち時間はありませんが、番号には当時の「少しでも早く、でも落ち着いて」という願いが込められていたのですね。
もし110番にかけるような事態が起きても、この雑学を思い出して、一呼吸置いてからオペレーターに話しかけてみてください。


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