はじめに
冬のご馳走といえば、家族で囲む「すき焼き」。 お肉、ネギ、焼き豆腐、そして名脇役の「しらたき(糸こんにゃく)」。
このしらたきをお鍋に入れる時、お母さんやおばあちゃんから、こんな注意を受けたことはありませんか?
「しらたきの隣にお肉を置いちゃダメよ! お肉が硬くなっちゃうから」
これは料理界ではあまりにも有名な常識。「しらたきとお肉は離して置く」というのが鉄則とされてきました。 しかし、実はこの説、完全なる間違い(冤罪)だったことをご存知でしょうか?
なんと、こんにゃく業界の団体が公式に実験を行い、「隣に置いても肉は硬くならない」と証明しているのです。
なぜ「硬くなる」と言われていたのか?
そもそも、なぜこんな噂が広まったのでしょうか? 科学的な根拠とされていたのは、しらたきに含まれる「カルシウム(石灰分)」です。
しらたきを固める時に使われる凝固剤(水酸化カルシウム)のアルカリ性が、お肉のタンパク質に作用して、肉を硬くしてしまう……という理屈でした。
確かに「化学の実験室」レベルの話であれば、理論上はあり得る現象です。 しかし、実際の「すき焼きの鍋」の中でそれが起こるのか? という点が盲点でした。
こんにゃく協会が立ち上がった!
「しらたきが肉を硬くする犯人扱いされている…! このままではいけない!」 と立ち上がったのが、「日本こんにゃく協会」です。
彼らはこの濡れ衣を晴らすべく、徹底的な比較実験を行いました。
- しらたきの隣で煮た肉
- しらたき無しで煮た肉
- 下茹でしていない(カルシウム多めの)しらたきの隣で煮た肉
これらを「硬さ測定器」にかけて検証した結果…… なんと、「どの肉も硬さに違いはなかった」のです!
鍋の中では割り下(スープ)でカルシウムが薄まるため、肉を硬くするほどの影響力は全くなかったのです。
真犯人は「焼きすぎ」
では、なぜ「すき焼きの肉が硬い」と感じることがあるのでしょうか? しらたきが犯人でないとすれば、真犯人は誰なのか?
答えはシンプルです。 「加熱のしすぎ(煮込みすぎ)」です。
高い牛肉であっても、長時間グツグツ煮込めばタンパク質が凝固して硬くなります。 つまり、「しらたきの隣にあったから硬くなった」のではなく、「しらたきを気にしている間に、肉に火が通り過ぎてしまっただけ」というのが真相なのです。
まとめ:これからは仲良く隣同士で
- 「しらたきが肉を硬くする」はデマだった
- 日本こんにゃく協会が実験で「冤罪」を証明
- 肉が硬くなる原因は、単なる「煮込みすぎ」
長年、すき焼き鍋の中で「お前、あっち行けよ!」と隔離され続けてきたしらたき。 これからは安心して、お肉の真横に置いてあげてください。 むしろ、しらたきにお肉の旨味が染み込んで、より美味しくなるはずです。


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