はじめに
家を支える柱や木材を食い荒らす、恐怖の害虫「シロアリ(白蟻)」。 名前に「アリ」と付いていますし、集団で行列を作って生活している姿は、どう見ても「白いアリ」ですよね。
「普通のアリ(黒アリ)の色違いみたいなもんでしょ?」 と思っている方がほとんどだと思います。
しかし、生物学的に分類すると、シロアリは「アリ」の仲間ではありません。 では、何の仲間なのか? 答えを聞くと、背筋がゾッとするかもしれません。
実は彼らの正体は……「ゴキブリ」の仲間なのです。
決定的な違いは「くびれ」
「嘘でしょ!? あんなに見た目が違うのに!」 と信じられないかもしれませんが、進化の系統樹を見ると、シロアリは「社会性を持ったゴキブリ(等翅目・ゴキブリ目)」という分類になります。
一方、私たちがよく見る「黒アリ」は、生物学的には「ハチ(蜂)」の仲間です。
見分け方は簡単で、「腰のくびれ」に注目してください。
- アリ(ハチの仲間): 頭・胸・腹がはっきりと分かれていて、腰がキュッと細くくびれている。
- シロアリ(ゴキブリの仲間): 頭からお尻までズンドウ(寸胴)で、くびれがない。
もし家の中で「羽アリ」を見つけた時、腰がくびれていなければ、それはシロアリ(=空飛ぶゴキブリの親戚)である可能性が高いので要注意です。
実は「アリ」はシロアリの天敵
名前に同じ「アリ」と付いていますが、実はこの両者、仲が良いどころか「捕食者と獲物」の関係にあります。
黒アリ(ハチの仲間)は肉食性が強く、シロアリ(ゴキブリの仲間)を見つけると、餌として襲って食べてしまうのです。 シロアリにとって、黒アリは最も恐ろしい天敵の一つ。 「同じアリ仲間だね〜」なんて仲良く協力することは絶対にありえません。
なぜ木を食べるの?
ゴキブリといえば雑食のイメージですが、なぜシロアリは「木」ばかり食べるようになったのでしょうか?
大昔、シロアリの祖先(ゴキブリ)は、他の昆虫との生存競争に負けそうになり、誰も食べたがらない「朽ち木(枯れた木)」を食べるように進化しました。 木の中に含まれる「セルロース」という硬い繊維を分解できるバクテリアを体内に住まわせることで、木を栄養に変える特殊能力を手に入れたのです。
その結果、薄暗い木の中に引きこもって生活するようになり、太陽の光が必要なくなったため、体が白くなり、目も退化して今の姿になったと言われています。
まとめ:白いゴキブリだと思って警戒を
- シロアリは「ゴキブリ」の仲間(社会性ゴキブリ)
- 黒アリは「ハチ」の仲間
- 見分け方は「腰のくびれ」があるかないか
「シロアリ」という名前だと「まあ、アリならいいか」と油断しがちですが、「家を食べる白いゴキブリが数万匹いる」と考えたら、その恐ろしさが倍増しますよね。 もし家周りで羽の生えた寸胴な虫を見かけたら、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。


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