はじめに
「仕事中に段ボールを持とうとして腰を痛めた」 「通勤途中に駅の階段で転んで骨折した」
そんな時、痛みをこらえて病院に行き、受付で当たり前のように「保険証(健康保険証)」を出していませんか? そして、窓口で3割負担のお金を払っていませんか?
「実はそれ、大きな損をしているうえに、制度上の違反行為です」
仕事中のケガは「労災」
日本の法律では、
- プライベートな病気・ケガ: 健康保険(3割負担)
- 仕事中・通勤中のケガ: 労災保険(自己負担なし)
と、明確に使い分けられています。 仕事や通勤が原因のケガなのに、健康保険を使ってしまうと、後から「健康保険組合が負担した7割分を返せ!」と言われて、手続きがめちゃくちゃ面倒なことになるのです。
労災なら「治療費0円」
なぜ労災を使うべきなのか? 最大のメリットは、「治療費が全額タダ(自己負担0円)」になることです。
健康保険だと、手術や入院で数万円〜数十万円の自己負担が発生しますが、労災として認定されれば、これらはすべて国(労災保険)が払ってくれます。 薬代も、松葉杖代も無料です。 使わないと、払わなくていいお金を払うことになります。
休んだ時の手当も多い
さらに、ケガで会社を休む場合も差が出ます。
- 健康保険(傷病手当金): 給料の約67%(3分の2)
- 労災保険(休業補償): 給料の約80%(特別支給金含む)
労災の方が、休んでいる間の保証も手厚いのです。
バイトでもパートでも使える
「うちはパートだから労災なんて……」 という遠慮は無用です。 労災保険は、従業員を一人でも雇っていれば会社に入らなければならない義務があります。 1日だけの短期バイトでも、通勤中にケガをすれば労災の対象です。
病院でどうすればいい?
病院の受付で、 「仕事中のケガなので、労災(ろうさい)を使いたいです」 と伝えてください。 その場では保険証を出さず(あるいは預かり金対応などになり)、後日、会社の担当者に書類(様式第5号など)を書いてもらって病院に提出すればOKです。
まとめ:保険証はしまっておけ
- 仕事中・通勤中のケガに健康保険は使えない
- 労災なら治療費は0円
- 休業補償も労災の方が高い(約8割)
- アルバイトやパートでも必ず使える
「会社に迷惑がかかるから……」と遠慮して健康保険を使う人がいますが、それは逆効果(後で切り替え手続きが必要になり、もっと迷惑がかかる)です。 仕事で痛い思いをしたのですから、堂々と国の手厚い保護を受けて、財布を痛めずに治しましょう。


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