はじめに
「ねー、うし、とら、う……」 日本人なら誰もが言える十二支(じゅうにし)。 その最後を飾る動物といえば、猪突猛進の「イノシシ(亥)」ですよね。
「私はイノシシ年生まれです」 と自己紹介する方も多いと思います。
しかし、「実は、イノシシが干支に入っているのは日本だけ」 ということをご存知でしょうか?
干支の発祥地である中国をはじめ、世界中のほとんどの国では、最後はイノシシではなく「ブタ(豚)」なのです。
なぜ日本だけ野生化した?
干支はもともと中国から伝わってきた文化です。 中国の十二支の最後は、漢字で書くと「猪」ですが、これは中国語で「ブタ」を意味します。 (※中国でイノシシは「野猪」と書きます)。
では、なぜ日本ではイノシシになってしまったのでしょうか?
理由は単純で、干支が伝来した当時の日本には、家畜としての「ブタ」が存在しなかった(馴染みがなかった)からです。 そのため、ブタによく似た野生の「イノシシ」を代わりに当てはめて、そのまま定着してしまったのです。
イノシシ年生まれは、世界では「ブタ年」
つまり、日本の「イノシシ年生まれ」の人が、中国や韓国、台湾などに行って、 「私の干支はイノシシ(Wild Boar)です」 と言うと、「えっ? ブタ(Pig)の間違いでしょ?」と不思議な顔をされてしまいます。
世界標準で見れば、あなたは「ブタ年生まれ」なのです。 日本では「ブタ」というと太っているイメージで嫌がられるかもしれませんが、世界的にブタは「富と繁栄の象徴」であり、イノシシよりもお金持ちになれそうな、とても縁起の良い動物なんですよ。
ベトナムには「ネコ年」がいる!
さらに面白いのが、各国の干支のローカルルールです。 例えばベトナム。 なんと、「ウサギ年」が存在せず、代わりに「ネコ年」が入っています。
「十二支の競争でネズミに騙されて入れなかった」はずのネコが、ベトナムでは見事にスタメン入りしているのです。 (※中国語の「卯(ウサギ)」の発音が、ベトナム語の「ネコ」に似ていたから、という説があります)。
まとめ:国によって動物が違う
- 世界の十二支の最後は「ブタ」
- 日本にはブタがいなかったので「イノシシ」で代用した
- イノシシ年生まれは、海外では「ブタ年」になる
- ベトナムには「ネコ年」がある
お正月に親戚が集まった時、 「実はイノシシ年は日本限定で、本当はブタ年なんだよ。だから金運最強なんだよ」 と教えてあげてください。 微妙な顔をされるか、喜ばれるか……反応が楽しみですね。


コメント