実は、「ひじき」はもう鉄分の王様じゃない!

はじめに

「貧血気味なら、ひじきを食べなさい」 「ひじきは鉄分の王様だからね」

子供の頃、親や学校の先生からそう言われて、黒いひじきの煮物を食べた記憶はありませんか? 実際に、昔の栄養成分表では、ひじきは圧倒的な鉄分量を誇るスーパーフードでした。

しかし、もし今「ひじきには、言うほど鉄分が含まれていない」と言われたら……信じられますか?

実は、最新のデータでは、ひじきの鉄分は昔の「9分の1」まで激減してしまっているのです。 一体、ひじきの身に何が起きたのでしょうか?


衝撃の数値「55mg」→「6.2mg」

文部科学省が発表している「日本食品標準成分表」。 これの2015年版(七訂)が発表された時、栄養士や料理界に激震が走りました。

それまで、干しひじき100gあたりの鉄分は「55mg」と記載されていました。 しかし、最新の計測ではなんと「6.2mg」になっていたのです。 実に90%近くも鉄分が消滅してしまいました。

「最近のひじきは栄養不足なの?」 いいえ、ひじき自体は昔も今も変わっていません。 変わったのは、「加工する道具」の方だったのです。


鉄分の正体は「鍋」だった

昔、ひじきを作る工程(蒸し煮)では、「鉄釜(鉄の鍋)」が使われていました。 実は、あの豊富な鉄分の正体は、ひじきそのものではなく、「鉄釜から溶け出した鉄」だったのです。

しかし近年、衛生管理や手入れのしやすさから、工場の釜が「ステンレス製」に切り替わりました。 その結果、釜から鉄が溶け出さなくなり、「ひじき本来の(低い)数値」に戻ってしまった。 これが、鉄分激減のミステリーの真相です。


それでも「ひじき」は優秀

「なんだ、じゃあ食べる意味ないじゃん」 と思うのは早計です。

鉄分こそ減ってしまいましたが、ひじきには現代人に不足しがちな「食物繊維」や「カルシウム」、「マグネシウム」などが豊富に含まれています。 腸内環境を整えたり、骨を強くしたりする効果は依然としてトップクラスです。

ただ、「鉄分補給」を第一の目的とするなら、ひじきだけに頼るのは少し心もとないかもしれません。


鉄分が欲しいなら「レバー」や「小松菜」を

もし貧血対策で鉄分を摂りたいなら、今はひじきよりも「豚レバー」や「小松菜」、「アサリ」などを積極的に食べるのがおすすめです。

あるいは、調理する時に「鉄のフライパン」を使ったり、「鉄卵(鍋に入れる鉄の塊)」を入れたりすれば、昔のひじきと同じように「道具から鉄分を摂取」することができますよ。


まとめ:道具の進化が栄養を変えた

  • ひじきの鉄分は、昔の9分の1に減っている
  • 昔の鉄分は「鉄釜」から溶け出したものだった
  • 今は「ステンレス釜」なので、鉄分が入らない
  • それでも食物繊維などは豊富で優秀な食材

「ひじき=鉄分」という常識は、「ひじき(と鉄鍋)=鉄分」というセット効果だったのですね。 栄養学の常識は、時代の変化とともに変わっていくものです。 これからは「鉄分以外もすごいんだぞ!」と、ひじきの新しい魅力を評価してあげましょう。

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