はじめに
コンビニやスーパーに並ぶ、色とりどりのフルーツジュース。 パッケージには美味しそうな果物の写真やイラストが描かれていますよね。
そのパッケージを見て、 「おや? こっちには果物を切った断面(シズル感)があるけど、こっちには丸ごとの果物しかないな…」 と気づいたことはありませんか?
「実は、パッケージに『果物の断面』や『果汁のしずく』の写真を使っていいのは、果汁100%のジュースだけ」 という厳しいルールが法律で決まっているのです。
法律で決まっている「お絵かきルール」
これは「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」や「公正競争規約」というルールに基づいています。 消費者が「果汁たっぷりだ!」と勘違いして買ってしまうのを防ぐため、果汁の割合(%)によって、使えるイラストや写真が厳格に制限されているのです。
具体的には、以下のようなランク分けがあります。
1. 果汁100%の場合
- 何でもOK!
- 果物を切った「断面」の写真やイラストOK。
- 果汁がしたたる「しずく(ドロップ)」の表現もOK。
- 一番美味しそうな「リアルな表現」が許されています。
2. 果汁5%以上 〜 100%未満の場合
- 「断面」と「しずく」はNG!
- 使えるのは「果物の全体像(丸ごとの写真や絵)」だけ。
- 切ったらダメなんです。「中身が詰まってるわけじゃないよ」という暗黙のメッセージですね。
3. 果汁5%未満の場合
- 写真もリアルな絵もNG!
- 使えるのは「図案化(デフォルメ)されたイラスト」のみ。
- 「これは果物の味のジュースですよ」程度の抽象的な絵しか許されません。
無果汁の「メロンソーダ」を見てみて!
わかりやすい例が、喫茶店やファミレスにある緑色の「メロンソーダ」や、無果汁の炭酸飲料です。 パッケージをよく見てください。 おそらく、「リアルなメロンの写真」は一枚も使われていないはずです。 使われているとしても、丸やギザギザで描かれたような「メロンっぽいイラスト」だけ。
逆に、コンビニの高級な「果汁100%オレンジジュース」を見てください。 みずみずしいオレンジの輪切りや、果汁が飛び散るような写真がドーンと載っているはずです。
まとめ:パッケージは嘘をつかない
- 果物の「断面」や「しずく」がある = 果汁100%の証
- 果物が「丸ごと」しかない = 果汁100%未満
- リアルな絵がない = 果汁5%未満(または無果汁)
これからは、成分表示の「%」を見なくても、パッケージの絵を見るだけで「これは濃厚なジュースだ」「これは薄いジュースだ」と見抜くことができます。 次にコンビニに行ったら、ぜひ「断面チェック」をしてみてください!


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