実は、カメレオンの色が変わるのは「隠れるため」じゃない!

体の色を自在に変える不思議な生き物、カメレオン。 敵から身を守るために、背景に合わせて色を変えて隠れる……いわゆる「擬態(カモフラージュ)」の名人だと思っていませんか?

「実は、カメレオンが色を変える主な目的は『擬態』ではありません」

もし彼らが言葉を話せたら、「隠れるためにやってるんじゃないよ!」と抗議してくるかもしれません。 では、一体なんのために色を変えているのでしょうか?

本当の理由は「気分」と「体温調節」

カメレオンが色を変える最大の理由は、大きく分けて2つあります。

1. コミュニケーション(気分・感情) 人間が恥ずかしい時に顔が赤くなったり、恐怖で青ざめたりするのと同じです。 カメレオンは、自分の「感情」を色で表現しています。

  • 興奮している時・威嚇する時:派手で鮮やかな色になる
  • リラックスしている時・負けを認めた時:地味で暗い色になる

つまり、森の中で派手な色になっているカメレオンは、隠れるどころか「俺は今、怒ってるぞー!」と自己主張している状態なのです。

2. 体温調節 カメレオンは変温動物なので、自分で体温をコントロールできません。

  • 寒い時:色を黒っぽくして、太陽の熱を吸収しやすくする
  • 暑い時:色を白っぽく(明るく)して、熱を反射する

彼らは色を変えることで、快適な体温を保とうとしているのです。

じゃあ、隠れる時はどうするの?

もちろん、外敵から隠れたい時もあります。 ですが、そんな時にわざわざ色を変える必要はありません。

多くのカメレオンは、もともとの基本色が「緑色」や「茶色」です。 つまり、何もしなくても最初から森の景色に溶け込んでいるのです。 わざわざエネルギーを使って色を変えなくても、じっとしていれば十分隠れられるというわけですね。

まとめ:色は「言葉」であり「服」である

  • カメレオンの変色は、背景に合わせているわけではない
  • 怒りや求愛など「感情」を伝えるために色を変える
  • 暑い・寒いという「体温調節」のために色を変える
  • 隠れる時は、変色せずにじっとしている

これからは動物園でカラフルなカメレオンを見かけたら、「あ、今機嫌が悪いんだな」とか「ちょっと暑いのかな?」と、彼らの気持ちを読み取ってみてください。


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