はじめに
「ニャ〜(ご飯ちょうだい)」 「ニャッ!(遊んで)」 猫といえば「ニャー」と鳴く生き物。これは誰もが疑わない常識ですよね。
しかし、もし「大人の猫同士は、ニャーと鳴いて会話することはない」と言われたら、信じられますか?
実は、あの可愛らしい鳴き声は、猫が本来持っているコミュニケーション手段ではなく、「人間と会話するためだけに開発(または維持)された特別な言語」なのです。
野良猫の集会は「無言」が多い
野生の猫や、野良猫同士のやり取りを観察したことはありますか? 喧嘩をする時の「シャー!」「ウゥー…(唸り声)」や、発情期の独特な叫び声は別として、日常的な挨拶で「ニャー」「元気?」と鳴き交わすことは、基本的にありません。
猫同士のコミュニケーションの基本は、以下の3つです。
- ボディランゲージ(しっぽや耳の動き)
- 匂い(鼻と鼻を合わせる、マーキング)
- 接触(スリスリする)
彼らはテレパシーのように、音を出さずに意思疎通ができるのです。野生の世界では、無駄に鳴くことは「敵に居場所を教える」ことになるため、大人の猫は基本的にサイレント(無口)なのです。
「ニャー」は子猫だけの特権だった
では、なぜ飼い猫はあんなに鳴くのでしょうか? 本来「ニャー」という高い声は、「子猫が母猫に助けを求める時(お腹空いた、寒い、迷子)」専用の合図です。 成長して大人になると、母猫に甘える必要がなくなるため、自然とこの鳴き方はしなくなります。
しかし、人間に飼われている猫たちは違います。 彼らは気づいてしまったのです。 「人間という生き物は、匂いも嗅ぎ取れないし、しっぽの動きも理解できない鈍感な巨大生物だ」 「でも、『ニャー』と鳴くと、すぐにご飯が出てきたり、撫でてくれたりするぞ!」
飼い主は「大きな母猫」だと思われている
飼い猫は、人間に対して「一生、子猫の気分」で接していると言われています(これを「ネオテニー(幼形成熟)」とも呼びます)。
彼らは、鈍感な人間に自分の要求(ご飯、トイレ掃除、遊び)を伝えるために、大人になってもあえて「子猫の声」を使い続けているのです。 つまり、あの「ニャ〜」は、私たち人間を操るために猫が編み出した、対人間専用のコミュニケーションツールだったのです。
「うちの子はよくお喋りするなあ」 と微笑ましく思っている飼い主さん。それは猫があなたを信頼している証であると同時に、「こうすれば人間は動く」と完全に手玉に取られている証拠かもしれません(笑)。
まとめ:人間は猫の召使い?
- 大人の猫同士は「ニャー」と会話しない(基本は無言)
- 本来は「子猫が母猫を呼ぶ」ための鳴き声
- 人間には言葉が通じないから、わざと鳴いて要求を伝えている
猫があなたの顔を見て「ニャーン」と鳴いた時。 それは「ご飯をくれ」「ドアを開けろ」という命令を、人間でも分かるように優しく翻訳してくれているのかもしれません。 そう思うと、あの上から目線な態度も納得がいきますよね。


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