はじめに
2月3日の節分といえば「恵方巻(えほうまき)」。 その年の縁起が良い方角(恵方)を向いて、無言で太巻きを一本食べ切る……。
「昔からある日本の伝統行事だよね」 と思って必死に食べている方も多いですが、実はこの習慣が全国に広まったのは、ここ20〜30年の話だということをご存知でしょうか?
しかも、「恵方巻」という名前を世に広めたのは、歴史ある神社でも京都の貴族でもなく、あの「セブン-イレブン」なのです。
元々は大阪のローカル風習
もちろん、起源となる風習は昔からありました。 大正〜昭和初期の大阪の寿司屋組合が、 「節分に太巻きを食べると縁起が良い」 として宣伝した「丸かぶり寿司」というローカルなイベントです。
しかし、これはあくまで大阪を中心とした関西限定の風習で、他の地域の人たちは「なにそれ?」という状態でした。 名前も「恵方巻」ではなく、「幸運巻寿司」や「丸かぶり寿司」と呼ばれていました。
広島のセブン-イレブンが「発見」した
転機が訪れたのは、1989年(平成元年)。 広島県のセブン-イレブンのオーナーが、 「大阪には節分に太巻きを食べる面白い風習があるらしい」 と目をつけ、「恵方巻」という名前をつけて売り出しました。
すると、これが大ヒット。 「これは売れる!」と確信したセブン-イレブン本部は、1998年(平成10年)に全国発売を開始しました。
コンビニが作った「新しい伝統」
セブン-イレブンの全国展開に合わせて、他のコンビニやスーパーも一斉に追随しました。
- 「調理がいらない(手軽)」
- 「夕飯のメニューを考えなくて済む(主婦の味方)」
- 「ゲーム性があって楽しい(子供が喜ぶ)」
という現代のニーズにハマり、あっという間に「節分=恵方巻」という図式が日本中に定着したのです。 つまり、私たちが今やっている恵方巻は、バレンタインデーのチョコレートと同じく、「企業の販売戦略によって広められたイベント」だったのです。
なぜ「切ってはいけない」の?
ちなみに、恵方巻を包丁で切らずに一本丸ごと食べる理由は、 「縁(えん)を切らないように」 という意味が込められています。
しかし、喉に詰まらせては元も子もありません。 最近では「無理せず切って食べてください」とアナウンスするお寺やお店も増えています。 商業的なブームとはいえ、美味しく安全に楽しむのが一番の「福」かもしれません。
まとめ:平成生まれの伝統行事
- 恵方巻は、元々大阪のローカル風習「丸かぶり寿司」だった
- 「恵方巻」という名前を広めたのは「セブン-イレブン」
- 1998年の全国展開をきっかけに、日本中に定着した
- バレンタインと同じく、企業のマーケティングが生んだ文化
もし今年の節分、家族が「恵方巻の方角はどっちだっけ?」と真剣に悩んでいたら、 「実はこれ、セブンイレブンが広めたんだよ」 と教えてあげてください。 ありがたみが薄れるか、逆に「コンビニすげぇ!」となるか……反応が楽しみですね。


コメント