実は、ラクダのコブの中身は「水」じゃない!

はじめに

砂漠を旅するキャラバンとともに描かれる動物、ラクダ。 背中にある立派な「コブ」がトレードマークですよね。

子供の頃、先生や親からこう教わったことはありませんか? 「ラクダは砂漠で生きるために、コブの中に『水』を貯めているんだよ」と。

「実はそれ、間違いです」 あのコブの中に入っているのは、水ではありません。

コブの中身は「脂肪」の塊!

あのコブをナイフで切っても、水は一滴も出てきません。 中身は、白くてギトギトした「脂肪」なのです。

ラクダのコブは、いわば「エネルギー貯蔵タンク」。 過酷な砂漠では、何日も食べ物にありつけないことがあります。そんな時、ラクダはコブに貯めた脂肪を分解して栄養にし、生き延びているのです。

状態が良いラクダのコブはパンパンに張っていますが、栄養不足が続くとコブの脂肪が使われ、しぼんでペタンと垂れ下がってしまうこともあります(また食べれば元に戻ります)。

じゃあ、水はどこに?

「でも、ラクダは水を飲まなくても平気なんでしょ?」 その通りです。では、その水分はどこにあるのでしょうか。

正解は、「血液中」です。 ラクダは一度に100リットルもの水を飲むことができますが、その水は血液中に吸収され、循環しています。 ラクダの赤血球は特殊な形をしており、水分をたっぷり含んでも破裂しない構造になっているため、体全体が「水筒」のような役割を果たしているのです。

なぜ背中に脂肪を集めたの?

人間を含め、普通の動物は身体全体に皮下脂肪がつきますよね。 なぜラクダはわざわざ背中の一箇所に脂肪を集めたのでしょうか?

それは、「日除け」と「放熱」のためだと言われています。 強烈な直射日光が当たる背中に脂肪(断熱材)を集中させることで、体温の上昇を防ぎます。 逆に、それ以外の場所には脂肪が少ないため、身体の熱を外へ逃がしやすくなっているのです。 まさに、砂漠で生きるために計算し尽くされたボディなんですね。

まとめ:コブは非常食

  • ラクダのコブの中身は「水」ではなく「脂肪」
  • 食べ物がない時は、脂肪を使って生き延びる
  • 水は血液の中に大量に蓄えている
  • 背中のコブは、暑さ対策の断熱材でもある

「ラクダのコブ=水筒」だと思っていた方は、ぜひ今日から「ラクダのコブ=お弁当箱(脂肪)」という認識にアップデートしてくださいね!

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