はじめに
今、あなたのポケットに入っているスマートフォン。 もしiPhoneでなければ、それはGoogleの「Android(アンドロイド)」というOSで動いているはずです。
世界で一番使われているこのシステム、「打倒iPhone」や「新しい携帯電話を作るため」に開発されたと思っていませんか?
実は、開発者たちが最初に目指していたのは、携帯電話ではありませんでした。 彼らが作りたかったもの。 それは、「ものすごく賢い『デジタルカメラ』」だったのです。
2003年:「賢いカメラを作ろう」
Android社が設立されたのは2003年。 創業者のアンディ・ルービンたちは、投資家に向けてこんなプレゼンをしていました。
「これからは、撮った写真をパソコンと無線で繋いで、クラウドに保存できる『スマート・カメラ』の時代だ!」
そう、最初のAndroidは、カメラをインターネットに繋ぐための「デジカメ用OS」として開発がスタートしたのです。
「あ、カメラ市場は終わるな」
しかし開発を進める中で、彼らはある残酷なデータに気づいてしまいます。 「デジカメの市場は、これ以上伸びないかもしれない……」
当時、携帯電話にカメラ機能がつき始め、デジカメ単体の売上が落ち始めていました。 「このままカメラ用OSを作っても、売る相手がいなくなるぞ」
そこで彼らは、開発方針を180度転換(ピボット)する決断を下しました。 「カメラはやめだ! このOSを、同じ機能を持つ『携帯電話』に入れよう!」
Googleが買収、そして伝説へ
2005年、この「携帯電話向けOS」に作り変えられたAndroidに目をつけたのが、検索の巨人Googleでした。 「これは面白い」 とGoogleがAndroid社を買収。
そして2007年、Appleから初代iPhoneが発表されると、GoogleはAndroidを「誰でも自由に使えるオープンなOS」として世界中のメーカーに配り始めました。 その結果、Samsungやソニーなど多くのメーカーが採用し、世界シェアNo.1のOSへと爆発的に普及したのです。
その名残は「ドロイド君」に?
Androidのマスコットキャラクターである、緑色のロボット「ドロイド君(Bugdroid)」。 彼がロボットの姿をしているのは、 「アンドロイド(人造人間)」 という名前だからですが、もしかすると「カメラという機械(ハードウェア)を制御するはずだった名残」なのかもしれません。
今、私たちがGoogle PixelやGalaxyで綺麗な写真を撮れているのは、Androidの祖先が「デジカメ」だったというDNAのおかげ……と考えると、なんだか納得がいきませんか?
まとめ:逃げた先に未来があった
- Androidは当初、「デジカメ用のOS」として開発された
- カメラ市場の縮小を見て、急遽「携帯電話用」に作り変えた
- その後Googleに買収され、世界一のスマホOSになった
- 今のスマホのカメラが高性能なのは、その名残かもしれない
もしあの時、彼らが意地を張って「最高のデジカメOS」を作り続けていたら、Androidは歴史の闇に消え、今のスマホ業界はAppleの一人勝ちだったかもしれません。 スマホで写真を撮る時、 「君は本当は、カメラになりたかったんだね」 と、数奇な運命を辿ったOSに思いを馳せてみてください。


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