はじめに
夜中、ふと目が覚めると……体が鉛のように重くて動かない。 声を出そうとしても出ない。 そして、部屋の隅に黒い影が……!
「うわあああ! 幽霊だ! 呪われた!」 とパニックになる「金縛り」。
恐怖体験として語られることが多いですが、 「実はこれ、医学的には完全に解明されている『睡眠障害』の一種です」
幽霊の仕業でもなんでもなく、あなたの体が「ある特殊な状態」になっているだけなのです。
正体は「睡眠麻痺(すいみんまひ)」
金縛りの医学的な正式名称は、「睡眠麻痺」といいます。
人間は寝ている時、「レム睡眠(夢を見る浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」を繰り返しています。 レム睡眠中、脳は活発に動いて夢を見ていますが、手足が勝手に動いて暴れないように、脳から「筋肉を動かすな」という指令が出て、体は脱力状態(麻痺)になっています。
通常は、目覚めると同時にこの麻痺も解けるのですが、 疲れやストレスが溜まっていると、「脳はパチッと目覚めたのに、体の麻痺スイッチが解除されない」というタイムラグが発生することがあります。
これが、 「意識はあるのに、体が動かない!」 という状態、つまり金縛りの正体です。
なぜ「幽霊」が見えるのか?
「でも、本当に幽霊を見た! 胸の上に座られた!」 という人がいますよね。これにも科学的な理由があります。
金縛り中は、脳の半分はまだ「レム睡眠(夢を見ている状態)」です。 そのため、現実の部屋の風景に、「夢の映像(幻覚)」が合成されて見えてしまうのです。
さらに、体は筋肉が麻痺しているので、呼吸が浅くなり、「胸が苦しい=誰かに乗られている」と脳が錯覚します。 脳が「苦しい! なんでだ? きっと幽霊のせいだ!」と勝手な理由付けをして、怖い幻覚を見せているだけなのです。
金縛りになりやすい条件
金縛りは、病気ではなく誰にでも起こりうる現象ですが、特になりやすい条件があります。
- 仰向け(あおむけ)で寝ている時
- 不規則な生活や睡眠不足
- 強いストレスがある時
- 昼寝をしすぎた時
特に「仰向け」は気道が狭くなりやすく、苦しさを感じやすいため、金縛りを誘発しやすいと言われています。
まとめ:怖がらなくて大丈夫
- 金縛りは、脳と体の目覚めのズレ(睡眠麻痺)
- 幽霊は、夢と現実が混ざった「幻覚」
- 胸の重さは、筋肉の脱力によるもの
- 疲れているサインなので、しっかり休もう
もし次に金縛りにあったら、心の中でこう唱えてください。 「あ、今、俺の脳みそがバグってるな。最近疲れてたからなぁ」 そう冷静に分析すれば、幽霊の幻覚もスッと消えていくはずです。 そして、二度寝してしまいましょう。


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