誰かに脇腹や足の裏をくすぐられると、笑い転げてしまいますよね。 でも、自分で自分の脇腹を同じように触っても、全くくすぐったくありません。 なぜだか分かりますか?
実は脳(小脳)が、自分の動きを完璧に予測して、感覚を「無視」しているからです。
目次
脳のキャンセル機能
人間が体を動かす時、脳からは「筋肉への指令」と同時に、「これからこういう感覚が来るぞ!」という予測信号が出されます。 自分で自分を触る場合、予測と実際の結果が100%一致するため、脳は「あ、これは自分の動きだから危険じゃない」と判断し、くすぐったさ(不快感)を感じないようにスイッチを切っているのです。
もしこの機能がないと、歩くたびに足の裏がくすぐったくて笑ったり、服が擦れるだけでパニックになってしまいます。
0.2秒のズレで笑う実験
イギリスの研究チームが、ある面白い実験を行いました。 「リモコンで動くロボットアーム」を使って、自分で自分をくすぐる実験です。
- ボタンを押すと同時にくすぐる: 全くくすぐったくない。
- ボタンを押して「0.2秒遅れて」くすぐる: めちゃくちゃくすぐったい!
わずか0.2秒の遅れが生じるだけで、脳の予測とズレが生じ、「予測不能な動き=他人の手」と勘違いしてしまうのです。
まとめ
私たちがくすぐったがりなのは、「自分以外の虫や外敵」が体に触れた時に、すぐに気づいて逃げるための防衛本能です。 自分でくすぐれないのは、あなたの脳が正常に「自分」と「他人」を区別できている証拠なのです。


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