はじめに
お刺身やお寿司、ステーキなどに添える「わさび」。 家では便利な「チューブ入り」を使っている家庭がほとんどだと思います。
ツーンとくる辛さと、鮮やかな緑色。 「当然、すりおろしたわさびが入ってるんでしょ?」 と思っていますよね。
しかし、もし**「その中身、ほとんどわさび(本わさび)じゃありませんよ」と言われたら……信じられますか? 実は、安価なチューブわさびの中身は、日本古来のわさびとは全く別の植物を「緑色に着色したもの」**だったのです。
正体は「ホースラディッシュ(西洋わさび)」
スーパーで100円〜200円ほどで売っているチューブわさび。 パッケージの裏の「原材料名」を見てみてください。 多くの商品に、「西洋わさび」という文字が書かれているはずです。
これは別名「ホースラディッシュ(山わさび)」と呼ばれる、ヨーロッパ原産の植物です。 ローストビーフに添えられている、あの「白い薬味」のことです。
そう、本来のホースラディッシュは「白色」なのです。 これに、クロレラや着色料を混ぜて「緑色」に染め、香料でわさびっぽい香りを足したものが、私たちが普段食べているチューブわさびの正体なのです。
なぜ「本わさび」を使わないの?
日本本来の緑色のわさびは、区別するために「本わさび」と呼ばれます。 なぜチューブに本わさびを使わないのか? 理由は2つあります。
- 値段が高い 本わさびは、清流でしか育たない非常にデリケートな植物で、高級食材です。100円のチューブに入れると赤字になってしまいます。
- 辛味がすぐに消える これが最大の理由です。本わさびの香りや辛味は揮発性が高く、すりおろしてから「3分」で味が落ち始め、30分もすれば辛味が飛んでしまいます。チューブに入れて何ヶ月も保存するのは、科学的に非常に難しいのです。
一方、西洋わさびは辛味が持続しやすいため、チューブ加工に最適だったのです。
パッケージの言葉で見抜く裏技
もちろん、最近は技術の進歩で「本わさび」を配合した高級チューブも増えています。 これを見分けるには、パッケージの「ある言葉」に注目してください。
法律(加工わさびの表示基準)で、以下のように決められています。
- 「本わさび使用」 → 原料のわさびのうち、本わさびが50%以上入っている(高級!)。
- 「本わさび入り」 → 原料のわさびのうち、本わさびが50%未満(西洋わさびがメイン)。
- 表記なし(ただの「わさび」など) → ほぼ100%、西洋わさびを使用。
「使用」と「入り」。 たった2文字の違いですが、中身のランクは天と地ほど違うのです。
まとめ:どっちも美味しいけど別物
- 安いチューブわさびの正体は、緑色に塗った「西洋わさび(ホースラディッシュ)」
- 本わさびは辛味が飛びやすいため、チューブにするのが難しい
- 「本わさび使用(50%以上)」と「本わさび入り(50%未満)」を見分けろ
もちろん、西洋わさびのガツンとくる辛さも美味しいものです。 ただ、特別な日のお刺身には、ちょっと奮発して「本わさび使用」と書かれた高いチューブを買ってみてください。 「えっ、わさびってこんなに甘くて香りがいいの!?」と、その違いに驚くはずですよ。


コメント