実は、私たちが食べているワサビの9割は「着色された偽物」だった

回転寿司やスーパーの刺身パックについている、あの緑色のワサビ。 鼻にツンと抜ける辛味を感じながら、「やっぱ刺身には日本のワサビだね」なんて思っていませんか?

残念ながら、その感動、実は「西洋の代役」による演技かもしれません。

市場に出回っている安価なチューブ入りワサビや小袋ワサビのほとんどは、「本ワサビ」ではありません。

目次

その正体は、白い「ホースラディッシュ」

パッケージの裏の原材料名を見てみてください。「西洋わさび」や「山わさび」という文字がありませんか? これは、ローストビーフの薬味などでおなじみの「ホースラディッシュ」という、ヨーロッパ原産の全く別の植物です。

本物の「本ワサビ」は、清流でしか育たないデリケートな植物で、栽培に何年もかかり、値段も非常に高価です。 一方、ホースラディッシュは畑でガンガン育つ生命力があり、安価に大量生産できます。

しかし、決定的な違いがあります。ホースラディッシュは、色が「真っ白」なのです。

緑色の「化粧」をして食卓へ

「ワサビ=緑色」というイメージが定着している日本人のために、メーカーはクチナシや紅花などの色素を使って、白いホースラディッシュを緑色に着色しています。

つまり、私たちが普段「これこれ!」と思って食べているのは、「緑色のメイクをした西洋の大根」に近い存在だったのです。

なぜ代役を使うのか?(味の違い)

「詐欺じゃないか!」と思うかもしれませんが、実は理にかなった理由もあります。

  • 本ワサビ: 香りが華やかで甘みもあるが、辛味が揮発しやすく、すぐに味が飛んでしまう。
  • 西洋ワサビ: 香りは弱いが、辛味が強烈で、時間が経ってもツンとする刺激が消えない。

回転寿司やお弁当など、「作ってから食べるまで時間が空く」ものや、「脂の乗ったネタ」には、繊細な本ワサビよりも、ガツンと辛味が残る西洋ワサビの方が相性が良い場合があるのです。

まとめ

あなたが普段食べているその緑色のペースト。 それは日本古来のワサビではなく、遠いヨーロッパからやってきて、日本の食卓のために緑色の衣装をまとった「名脇役」だったのです。 今度お寿司を食べる時は、その「演技力」を味わってみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

驚きと発見を提供するWebメディア「実は.jp」の公式アカウントです。
信頼できる文献やデータを元に、生活に役立つトリビアや、常識を覆す衝撃の事実を分かりやすく解説しています。

コメント

コメントする

目次