はじめに
仕事中や勉強中、リフレッシュのために指を「ポキポキ」と鳴らす癖、ありませんか? あの音を聞くとスッキリしますよね。
でも、子供の頃に大人から、 「指を鳴らすと、関節が太くなるよ」 「将来、関節炎になって手が動かなくなるよ」 と脅されたことはないでしょうか?
「実は、あれは真っ赤な嘘(都市伝説)です」 医学的に、指を鳴らすことと関節の変形には、因果関係がないことが証明されています。
あの音の正体は「骨」ではない
そもそも、あの「ポキッ」という音は、骨と骨がぶつかっている音ではありません。 正体は、「気泡(ガス)が弾ける音」です。
関節の中には「滑液(かつえき)」という潤滑油のような液体が入っています。 指を引っ張ったり曲げたりすると、関節内の圧力が下がって、液体の中に「窒素ガスの泡」が発生します。 その泡が一気に弾けて消える時の衝撃音が、あの「ポキッ」なのです。 (※これを「キャビテーション」と言います。炭酸飲料の泡が弾けるのと同じ原理です)。
つまり、骨が削れているわけではないので、太くなったり病気になったりはしないのです。
60年間、片手だけ鳴らし続けた男
この説を証明するために、自らの体を張って実験した伝説の医者がいます。 アメリカのドナルド・アンガー医師です。
彼は少年時代に母親から「指を鳴らすと関節炎になる」と注意されたことに反発し、 「左手の指だけ毎日2回以上ポキポキ鳴らし続け、右手は一度も鳴らさない」 という実験を、なんと「60年間」も続けました。
衝撃の実験結果
60年後、彼は両手のレントゲン写真を比較しました。 結果は…… 「左右の手に、関節炎や変形の差は全くなかった」
この偉大なる(そして少し馬鹿馬鹿しい)研究により、彼は2009年に「イグ・ノーベル賞(人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる賞)」を受賞しました。 母親の教えが間違いだったことを証明するのに、60年もかけた執念の勝利です。
ただし、無理やりはNG
「じゃあ、いくら鳴らしても大丈夫?」 基本的には問題ありませんが、音を鳴らそうとして「無理な方向に指をねじったり、強く引っ張りすぎたり」すると、靭帯(じんたい)を傷める可能性はあります。 あくまで「自然に鳴る分には無害」ということです。
また、音自体を「不快だ」と感じる人は多いので、人前で連発するのはマナーとして控えた方がいいかもしれませんね。
まとめ:安心して鳴らそう
- ポキポキ音の正体は「気泡が弾ける音」
- 骨がぶつかっているわけではない
- 「太くなる」「関節炎になる」は迷信
- 60年間の実験で「無害」が証明されている
もし誰かに「指が太くなるよ!」と注意されたら、 「実はこれ、ガスが弾けてるだけで無害なんだよ。イグ・ノーベル賞を取ったお医者さんが60年かけて証明したんだ」 と教えてあげてください。 ただし、やりすぎて相手をイライラさせないようにご注意を!


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