はじめに
学校の教室や、ニュースの背景でよく見る「世界地図」。 一番北の方に、真っ白で巨大な島「グリーンランド」がありますよね。
地図上で見ると、南にある「アフリカ大陸」や「南米大陸」と同じくらいの、ものすごい存在感を放っています。 「グリーンランドって、めちゃくちゃデカいんだな〜」 と思いますよね。
「実はそれ、地図の描き方による完全な錯覚です」 実際のグリーンランドを正しい縮尺で見ると、「あれ、ちっさ!」と驚くほど小さいのです。
実際は「アフリカの14分の1」
数字で比べてみましょう。
- 地図上の見た目: グリーンランド ≒ アフリカ大陸
- 実際の面積:
- グリーンランド:約216万平方km
- アフリカ大陸:約3,037万平方km
なんと、実際のアフリカはグリーンランドの「約14倍」も大きいのです。 地図上ではライバルのように見えますが、実際は大人と赤ちゃんくらいの差があります。 ちなみに、オーストラリア大陸(約769万平方km)と比べても、グリーンランドは3分の1以下の大きさです。
犯人は「メルカトル図法」
なぜ、こんなに大きさが歪んでしまうのでしょうか? 原因は、私たちが普段見ている地図が「メルカトル図法」という描き方で作られているからです。
地球は「丸いボール」ですが、地図は「四角い紙」ですよね。 丸いものの皮を剥いて四角く引き伸ばすと、どうしても無理が生じます。
メルカトル図法には、 「赤道から離れれば離れるほど(北極や南極に近づくほど)、面積が拡大されて描かれる」 という特徴があります。
そのため、北極のすぐそばにあるグリーンランドは、実際よりもビヨーンと引き伸ばされて、巨大に見えてしまっているのです。 (逆に、赤道直下にあるアフリカやシンガポールなどは、ほぼ実寸通りです)。
もし赤道に持ってきたら?
では、もしグリーンランドを「正しい大きさ」のまま、赤道のあたりに移動させたらどうなるでしょうか?
驚くことに、「サウジアラビア」や「メキシコ」と同じくらいのサイズになってしまいます。 あの巨大な白い巨人は、実は中堅クラスの大きさだったのです。
まとめ:地図は嘘をつく
- 普段見ている地図(メルカトル図法)は、北と南が拡大されている
- グリーンランドは、実際はアフリカの14分の1しかない
- オーストラリアよりもずっと小さい
- 地図は「形」や「方角」を見るためのもので、「大きさ」は信用してはいけない
今度、世界地図を見る機会があったら、 「このグリーンランド、見栄を張って14倍に膨れ上がってるんだな……」 と冷ややかな目で見てあげてください。世界のサイズ感がガラッと変わって見えますよ。


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