はじめに
冬の味覚の王様といえば、「タラバガニ」。 太い脚に詰まったプリプリの身、濃厚な旨味……想像するだけでヨダレが出てきそうです。 お祝い事や贈答品としても大人気の「カニの王様」ですが、実はこのタラバガニ、生物学的には「カニ」ではないという衝撃の事実をご存知でしょうか?
「名前にカニって付いてるじゃん!」 「あんなにカニの形してるのに?」 そう思うのも無理はありません。しかし、ある部分を見れば、彼らがカニではない決定的な証拠が見つかるのです。
決定的な違いは「脚の数」
スーパーや鮮魚店でタラバガニを見かけたら、ぜひ「脚の数」を数えてみてください。
- ズワイガニや毛ガニ(本物のカニ): ハサミ2本 + 脚8本 = 合計10本
- タラバガニ: ハサミ2本 + 脚6本 = 合計8本
そう、タラバガニは本物のカニに比べて、脚が2本足りないのです。 この「脚が8本(4対)」というのは、実は「ヤドカリ」の仲間の特徴なのです。
タラバガニは、生物学上の分類では「十脚目(じゅっきゃくもく)・異尾下目(いびかもく)」に属しており、これはヤドカリと同じグループ。 つまり、**タラバガニの正体は「貝殻を被るのをやめた巨大なヤドカリ」**と言っても過言ではないのです。
消えた2本の脚はどこへ?
「じゃあ、残りの2本は退化して無くなったの?」 と思いますよね。実は無くなってはいません。
甲羅の中をパカッと開けてみると、エラの部分にチョコンと小さな脚が2本隠れています。 この隠れた脚は、エラを掃除するためのブラシのような役割として使われています。 ヤドカリも同様に、貝殻の中で体を支えたり掃除したりするための小さな脚を持っています。これもタラバガニがヤドカリの親戚である大きな証拠です。
カニ歩きじゃない?動き方の違い
もう一つ、カニとの違いがあります。それは「歩き方」です。
普通のアマチュア(?)なカニたちは、構造上「横歩き」しかできません。 しかし、タラバガニはヤドカリの仲間なので、「縦方向(前)」にも歩くことができます。 水族館などでタラバガニを見る機会があったら、ぜひ動きを観察してみてください。王様らしく堂々と前進しているかもしれません。
ちなみに「タラバ」という名前は、魚の「タラ(鱈)」が獲れる漁場で一緒に網にかかることが多かったため、「鱈場(タラバ)ガニ」と名付けられました。
まとめ:カニじゃなくても美味しいからOK
- タラバガニは生物学的には「ヤドカリ」の仲間
- 本物のカニは脚が10本、タラバガニは8本(見える範囲で)
- 残りの2本は甲羅の中に隠れて掃除用に使われている
「カニの王様」の正体がヤドカリだったとは驚きですが、あの美味しさが変わるわけではありません。 むしろ、「ヤドカリの仲間であそこまで巨大化し、美味しく進化した」という生命の神秘を感じながら食べると、より一層味わい深いかもしれませんね。
今度カニ鍋を囲む時は、ぜひ「こいつ、実はヤドカリなんだぜ…」と披露して、場の話題をさらってみてください。


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