はじめに
「人生の最期には、思い出が走馬灯のように駆け巡る」 古くからそう言い伝えられてきました。
臨死体験をした人が「過去の自分を見た」と語ることはありましたが、それは「脳が見せる幻覚」だと片付けられてきました。
しかし、2022年。 カナダの研究チームが、人類史上初めて「旅立ちつつある人の脳波」を記録することに成功し、その伝説が「科学的な事実」であることを突き止めました。
偶然撮れた「最期の脳波」
実はこの発見は、まったくの偶然でした。 ある87歳のてんかん患者の脳波を測定中、その患者さんが突然の発作により、天国へと旅立ってしまったのです。
その結果、「心臓が止まる前後(約30秒間)」の脳波が、奇跡的に記録されました。 科学者たちがそのデータを解析すると、驚くべき波形が現れていました。
脳は「思い出」にアクセスしていた
心停止の直後。 脳内では、「ガンマ波」と呼ばれる脳波が爆発的に増えていました。
このガンマ波は、私たちが普段どんな時に出るかというと、 「過去の記憶を鮮明に思い出している時」 「高い集中力で夢を見ている時」 です。
つまり、心臓が止まり、体は動かなくなっても、脳だけはフル回転して、「過去の大切な記憶(メモリー)」に激しくアクセスし、それを上映していたのです。 まさに、「走馬灯」そのものです。
恐怖ではなく「幸福」の中で
この研究が教えてくれる希望は、「最期の瞬間は、苦痛や無(暗闇)ではないかもしれない」ということです。
脳科学者たちはこう推測しています。 「脳は別れの瞬間に、人生で最も重要だった記憶、つまり『愛する家族との時間』や『最高の思い出』を検索し、それを鮮明にリプレイしながらシャットダウンするのではないか」
痛みの中で終わるのではなく、幸福な記憶に包まれながら眠りにつく。 人間の脳には、そんな「ラストシーンを美しく飾る機能」が備わっているのです。
まとめ:人生のベスト盤を見て旅立つ
- 2022年、最期の瞬間の脳波が初めて記録され、「走馬灯」の実在が裏付けられた
- 心停止の直後、記憶を呼び起こす「ガンマ波」が脳内で急増していた
- 人は旅立つ間際、人生の「ハイライト(最高の思い出)」を再体験している可能性が高い
- エンディングは暗闇ではなく、懐かしい記憶に包まれた穏やかな時間かもしれない
もし、大切な人が遠くへ行ってしまった時。 「苦しかったんじゃないか」「寂しかったんじゃないか」と心配になるかもしれません。 でも、その人はきっと、あなたと一緒に笑ったあの日や、優しかったあの時間を、もう一度リアルに体験しながら、穏やかな気持ちで旅立っていったはずです。


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