はじめに
長期保存ができて、いつでも美味しいものが食べられる「缶詰」。 パカッと開けるだけで食べられる便利な発明品ですが、これには発明にまつわる「信じられないようなタイムラグ」があったことをご存知でしょうか?
実は、「缶詰」がこの世に発明されてから「缶切り」が発明されるまで、なんと約48年もの空白期間があったのです。
「えっ、じゃあその48年間、みんなはどうやって缶詰を開けていたの?」 気になりますよね。実は、当時の人々はとんでもなくワイルドな方法でこじ開けていたのです。
缶詰はナポレオンのために生まれた
まず、缶詰の歴史は1804年に遡ります。 フランス皇帝ナポレオンが、「遠征中の兵士のために、腐らない食料保存法を考えろ!」と懸賞金をかけたのがきっかけで発明されました(当時は瓶詰めから始まり、すぐにブリキ缶が登場)。
しかし、ここで重大な問題が発生します。 「中身を腐らせない頑丈な容器」を作ることに必死すぎて、「どうやって開けるか」を誰も考えていなかったのです。
「斧」や「銃剣」で叩き割っていた!?
当時の缶詰は、今の私たちが知っているような薄いアルミ缶ではなく、厚みのある鉄製で非常に重く頑丈でした。 そのため、繊細な「缶切り」という道具では歯が立たなかったのです。
では、どうやって開けていたのか。 当時の缶詰のラベルには、こんな注意書きが書かれていたそうです。
『ノミとハンマーを使って、上部のフタを切り取ってください』
そう、なんと大工道具である「ノミ」と「ハンマー」でガンガン叩いて開けるのが公式の開け方だったのです! 戦場の兵士たちは、銃剣(銃の先のナイフ)を突き刺したり、斧で叩き割ったり、時には岩に叩きつけたりして、必死に中身を食べていました。 「食べるのに命がけ」とは、まさにこのことです。
48年後の技術革新
そんな「開かない缶詰」の時代が半世紀近く続いた後、1858年。 ようやくアメリカのエズラ・ワーナーという人物によって、最初の「缶切り」が発明されました。
なぜ48年もかかったのか? それは、製缶技術が進化して「缶の素材が薄く(切りやすく)なったから」です。 缶が薄くなったことで、ようやく「テコの原理で切る」という道具が作れるようになったんですね。
まとめ:必要は発明の母だが、順番が逆なこともある
- 缶詰の発明(1810年頃)から缶切りの発明(1858年)まで約48年のズレがある
- 当時の缶は頑丈すぎて、ノミやハンマー、銃剣でこじ開けていた
- 缶が薄く進化したことで、ようやく缶切りが生まれた
今ではプルトップ式(指で開けられる缶)が主流になり、缶切りを使う機会すら減ってきました。 もし家の棚に古い缶切りがあったら、ぜひ思い出してください。 「お前が生まれるまで、人類は48年間もハンマーで戦っていたんだな…」と。


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