保存食として便利な「缶詰」。 パカッと開けてすぐに食べられる、人類の偉大な発明ですよね。 当然、「缶詰」と「缶切り」はセットで開発されたものだと思っていませんか?
実は、缶詰が発明されてから「缶切り」ができるまで、48年もの空白がありました。
「じゃあ、その48年間どうやって開けていたの?」 不思議に思いますよね。 しかし、当時の記録に残された「開け方」は、現代の私たちには想像もつかないほどワイルドなものでした。
目次
ハンマーで破壊して食べていた
1810年、イギリスで最初の缶詰が発明されました。 しかし、当時の缶詰は、一般家庭用ではなく「軍隊の保存食」や「北極探検用」として作られたため、とにかく頑丈すぎたのです。 素材はブリキではなく、分厚い鉄板。重さもズッシリしていました。
そのため、当時の缶詰のラベルには、こんな注意書きがありました。
「上部のふちを、ノミとハンマーを使って叩き割って開けてください」
缶切りというスマートな道具は存在せず、兵士たちは銃剣で突き刺したり、斧で叩き割ったり、時には岩に打ち付けたりして、まさに「工事」のような作業をして中身を取り出していたのです。
缶切りが生まれたのは「缶」が進化したから
その後、技術が進歩して「薄いブリキの缶」が作れるようになり、ようやく1858年にアメリカで「缶切り」が発明されました。
缶詰が誕生してから、実に約半世紀。 人類は「中身を守る技術」ばかりに必死で、「どうやって食べるか」を考えるのをうっかり忘れていたのかもしれません。 この48年間の人々の苦労を思うと、パカッと開く今の缶詰が愛おしく感じますね。
まとめ
- 実は、缶切りが無い時代が48年も続いた。
- 昔の缶詰は鉄板のように分厚く、ノミやハンマーで破壊して食べていた。


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